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2021.10.14
映画興行におけるコロナウィルスの影響分析

 2020年5月に発令された第1回緊急事態宣言を皮切りに、コロナウィルスの影響は映画業界全体にも深く、広く浸透しています。ガイエでは、「映画鑑賞者のモチベーション」「映画鑑賞者の構成」「映画館に行く動機」「SNS上での話題ボリュームと集客の相関性」という4つの観点からその影響について分析し、今後の対策についてまとめました。

 

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1. 映画鑑賞者のモチベーションはどのように変化しているのか
(映画サイト&興行サイト アクセス推移分析)

 

2. 映画鑑賞者の構成はどのように変化しているのか
(鑑賞頻度別:劇場動員構成シミュレーション)

 

3. 映画館に行く動機はどのように変化しているのか
(映画鑑賞におけるCEP変化分析)

 

4. SNS上での話題ボリュームはどのように変化しているのか

(作品ごとの話題量と興収の相関性調査)

 

5. 今後の対策について

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※ここでは分析の一部についてご紹介します。全体のレポート資料をご要望の方は、「info@gaie.jp」もしくは弊社担当までご連絡ください。

 

 

1. 映画鑑賞者のモチベーションはどのように変化しているのか
 (映画サイト&興行サイト アクセス推移分析)

 

映画鑑賞に対するモチベーションがコロナ前後でどう変化したのかを、興行サイト(TOHOシネマズ、イオンシネマ、ユナイテッド・シネマなどシネコンのサイト)と上映スケジュールデータを持つ映画情報サイト(映画.com、Movie Walker Press、Yahoo!映画など)のアクセス数の推移をもとに分析しました。

 

興行サイトのアクセス推移

興行サイトは訪問ユーザーの約4割がブックマークやURL直打ちで訪れるリピーターにより構成されています。劇場での鑑賞頻度が高い「コアユーザー」が多く訪問する興行サイトへのアクセスは、コロナ前後でどのように変化したのでしょうか?

 

 

図:興行サイトのアクセス推移(2019年9月〜2021年8月)※Dockpit調べ

 

「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」や「パラサイト:半地下の家族」が公開された2019年12月をコロナ前のピークとすると、直近の2021年8月のアクセス数はその83%まで回復しています。コアユーザーの鑑賞モチベーションがコロナ前の水準まで高まってきていることのひとつの証左と言えるかと思います。

 

 

一方で、大きなアクセスを生んでいる要因が「鬼滅の刃」や「シン・エヴァンゲリオン」「竜とそばかすの姫」など大ヒット作であることを考えると、この盛り上がりは映画鑑賞全体を指すものではなく、瞬発的な作品人気であるとも言えます。

 

 

映画サイトのアクセス推移
そこで、今度は上映スケジュールデータを持つ映画サイトのアクセス推移を見てみましょう。

 

 

図:映画サイトのアクセス推移(2019年9月〜2021年8月)※Dockpit調べ

 

映画サイトは訪問ユーザーの6割が自然検索で訪れる新規ユーザーによって構成されています。決め打ちで訪れる率の高い興行サイトに比べ、検索結果に導かれて偶然に訪れるユーザーが多いと言えます。つまり映画サイトは、興行サイトに比べると「コアユーザー」の割合は低く、年間1〜3本程度鑑賞する「ライトユーザー」および年間4〜11本程度(月1本以下)の「ミドルユーザー」が多く訪れるサイトと言えそうです。

 

その映画サイトのアクセス推移ですが、コロナ前のピークから比較すると、直近2021年8月は67%の回復率となっています。興行サイトの回復率83%と比較してもゆるやかで、「鬼滅の刃」や「竜とそばかすの姫」などの大ヒット作があった月でも、コロナ前の水準に達していません。つまり、鑑賞頻度がそれほど高くないユーザーの鑑賞モチベーションはまだまだ戻りきっていないという分析ができそうです。

 

 

「映画館」検索のボリューム推移
では、自然検索のボリューム自体はどのように変化しているのでしょうか?今度は、「映画館」というワードの検索ボリュームについて調べてみたいと思います。…

 

 

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